ついに、やりました。
開業届、提出完了です。
この一枚の紙を出すまでに、思っていた10倍くらい消耗しました。
まず「自宅住所を晒したくない」問題
アプリを個人で開発して、App StoreやGoogle Playに公開するとき、開発者登録に住所が必要になります。自宅住所がそのまま世界中に公開されるのです。
それはちょっと困ります。
調べていくうちに、バーチャルオフィスという選択肢にたどり着きました。
GMOオフィスサポートさんと契約して、屋号は CSclub.tech に。ドメイン名をそのまま屋号にするの、なんかいいなと思って。個人開発者としての、最初の小さなこだわりです。ちなみに屋号は必須ではありませんでした。
申請してわずか20分後、審査完了のメールが届きました。
あまりにもあっけなく終了。
これで住所問題はクリア。よし、次はe-Taxで開業届を出そう——と、ここから長い一日の始まりです。
e-Taxで開業届
「e-Taxで開業届が出せます」という情報を見て、公式サイトへ。
そこには「e-Taxソフト(ダウンロード版)」という文字。
迷わずクリックしました。
……インストール画面が、昭和でした。
いや、昭和を悪く言いたいわけじゃないんです。ただ、このUIと格闘する精神的余裕が、そのとき私にはありませんでした。
しばらくして気づきます。
「WEB版があるじゃないか」
ダウンロード版は、どうやら税理士さんが代理で申請するためのもののようです。個人が一枚の開業届を出すだけなら、ブラウザで完結するWEB版で十分なはず——そう思ってログインしました。
WEB版に入ったのに、またソフトを勧められる
ところが、WEB版にログインしたら、こんなメッセージが出てきました。
「e-Taxソフト(ダウンロード版)の利用をお勧めします」
……さっきのところに戻れということ?
いや、WEB版を使いたくてここまで来たんです。気を取り直して「スキップ」をクリック。
すると今度は、「スキップした場合、一部の機能が正しく表示されない場合があります」 という注意書き。
正しく表示されない、とは。
結局どっちなんだい!
インストールしたら今度は「開業届」が見当たらない
「表示されないなら仕方ない」と、結局ダウンロード版もインストールしてみることにしました。
あの昭和UIと向き合いながら、インストール完了。
さあ、開業届を出そう。
……どこにあるんでしょう。
メニューをひとつひとつ開いていきます。確定申告、納税、各種申請——それらしい項目はあるのに、「開業届」という文字がどこにも見当たらない。
e-Taxのダウンロード版は、そもそも開業届の提出には対応していないようなのです。開業届は「税務署への届出」であって、e-Taxの守備範囲とは微妙にズレているらしい。
では最初からそう言ってくれ——という気持ちを、そっと胸にしまいました。
感想:e-Tax公式ホームページ、めちゃくちゃわかりずらい!確定申告は簡単にできたのに、開業届1枚が簡単にさがせないなんて。わたしだけ?それならごめんなさい。
freee無料版で試してみる
e-Tax沼から這い上がり、次に試したのが freeeの無料版です。
これが、最初は本当に感動的でした。
アンケート形式で、ひとつひとつ質問に答えていくだけ。屋号は?事業の種類は?開業日は?——画面の指示に従って進んでいくだけで、みるみる開業届が完成していく。
「これだ。これが求めていたものだ。」
テンポよく回答を進め、ついに最後の画面へ。あとは送信するだけ——
freeeの「電子申告・申請」のアプリをインストールしないといけないようだ。
アプリをインストールして送信画面が現れた。
そこに、こう書いてありました。
「利用者証明用暗証番号を入力してください」 「署名用電子証明書用暗証番号を入力してください」
外部のサイトなので、マイナンバーをスマホで読み取ることはできないようだ。
控えていたはずのパスワードを入力します。
違います。
もう一度、落ち着いて入力します。
違います。
「5回間違えるとロックされます」——あの恐怖のメッセージが、また脳裏に浮かびます。
ここで、手を止めました。freeeのUIは完璧だった。問題はUIじゃなく、あのカードと、あのパスワードでした。
結論:パスワードが完璧なら、会計ソフトの無料版で送信するのが一番簡単なようです。
公式e-Taxに半日を捧げる
気を取り直して、もう一度だけ公式ルートを試してみることにしました。
freeeと違い、公式のe-Tax WEB版はマイナンバーカードをスマホで読み取るだけで進めるらしい。パスワードを手入力しなくていいなら、さっきの問題はクリアできるはず。
ログインはできました。マイナンバーカードの読み取りも、できた。
あとは開業届を探すだけ。
……探し続けること、半日。
トップメニュー、各種申請・届出、申告・申請・納税、よくある質問——ありとあらゆるタブをクリックしました。「開業」で検索もしました。
「開業届」というタブが、どこにも存在しないのです。
e-Taxというシステムは、税金を「納める」ための場所であって、開業を「届け出る」ための場所ではなかった——ということに、半日かけて気がつきました。
やはり無理だったか・・・
結末:freeeで作って、紙で出す
夕方、静かに悟りを開いた私は、ある決断をしました。
「freeeで作った書類を、印刷して郵送しよう」
freeeの無料版は、送信こそできなかったものの、開業届の書類データは完璧に作ってくれていました。それをPDFで出力して、印刷。
住所、氏名、屋号 CSclub.tech、事業の種類——freeeが整えてくれた、きれいな書類。
封筒に入れて、切手を貼って、ポストへ。
その瞬間が、今日一番「開業した」と感じた瞬間でした。
おわりに
freeeのホームページは使いやすかった。e-Taxのマイナンバー読み取りも悪くなかった。でもパスワードは合わず、開業届のタブは半日探しても見つからず。(控えていたパスワードがなぜ違っていたのか、入力間違いなのか問題は解決しないまま)
結局、デジタルツールが作った書類を、アナログで届け出るという着地。
でも振り返ると、これが一番自分らしいやり方だった気もします。
freeeさん、ありがとう。おかげで完璧な書類が作れました。あとは私が郵便局に任せました。
CSclub.tech、始動しました。
これからどうぞよろしくお願いします。
なんだかアプリを作るよりも、書類を作成するのに時間がかかった一日でした・・・



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