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CSclub.tech|ちえぞう
開発担当
個人でiOS・Androidアプリを開発しています。
スキマ時間で楽しめるゲームや、資格試験対策学習アプリを中心に制作中。
アプリ開発・スキルアップ・生活に役立つ情報を発信中

あの分厚いテキストを、ポケットに入れたかった ——インテリアコーディネーター1次試験対策アプリができるまで

目次

2017年、机の上に積まれた「壁」

インテリアコーディネーター資格試験を受けようと決めて、最初にしたことは参考書を買うことでした。

書店で現物を手に取ったとき、正直ひるみました。ハンドブック上下巻、テキスト、過去問題集。全部まとめて持ち上げると、腕にずっしりくる。レジ袋の持ち手が指に食い込むあの感じ、受験された方ならわかっていただけると思います。

家に帰って机に積み上げると、それはもう「壁」でした。

問題は重さそのものより、その重さが持ち運びを諦めさせることでした。

通勤電車の中、昼休みの15分、待ち合わせまでの10分。そういう時間が1日の中に確実に転がっているのに、鞄にあの分厚さは入らない。結局スマホを触って終わる。そして夜、疲れて帰ってきてから机に向かい、集中力が続かないまま数ページで力尽きる。

「この隙間時間、全部拾えたら合格できるのに」

当時、何度もそう思っていました。付箋を貼った問題集をスマホで撮影して、電車で写真を見返す——なんてこともやってみましたが、当然ながら続きませんでした。答えを隠せないし、間違えた問題を管理できないし、そもそもピンチアウトが面倒くさい。

結局その年は、重いテキストを机で開く従来のやり方で乗り切りました。合格はしました。でも「もっといいやり方があったはずだ」という気持ちは、そのままずっと残りました。

「作ればいいのでは」と気づくまでに数年かかった

資格を取ってから何年か経って、個人でアプリ開発をするようになりました。

ある日ふと、机の隅に残っていたあの問題集が目に入って——遅すぎるのですが——気づいたわけです。

「これ、自分で作ればよかったんじゃないか」

一問一答形式なら、スマホの画面に収まります。片手で持って、親指だけで進められる。信号待ちでも、レジの列でも、1問なら解ける。間違えた問題は自動で覚えておいて、あとでまとめて出し直せる。

紙の問題集にできなくて、アプリにできることは山ほどありました。

そして何より、当時の自分が一番欲しかったものが、はっきりイメージできていました。ターゲットは8年前の自分です。

最大の壁は、技術ではなく「過去問」でした

作ると決めて、すぐに手が止まりました。

問題をどうするか、です。

資格試験の対策アプリで、一番価値があるのは実際に出た問題です。自作の予想問題を並べても、それは「誰かが考えた問題」でしかない。10年分の過去問を解き切ることの安心感は、受験した自分が一番よく知っています。

でも、過去問には著作権があります。試験を実施している公益社団法人インテリア産業協会さまの権利物です。

ここで多くの個人開発者が選びがちなルートが2つあると思います。

  1. 「引用の範囲」と自分に言い聞かせて、黙って使う
  2. 諦めて、オリジナル問題だけで作る

どちらも選びたくありませんでした。1は論外だし、2では当時の自分が欲しかったものにならない。

なので、3つ目の道を選びました。正面から、許諾をお願いすることです。

メールを送る前に、一番時間を使った

正直に言うと、メールの下書きに一番時間がかかりました。コードよりも。

個人開発者が、業界団体さまに「過去問を使わせてください」とお願いする。門前払いされても、まったくおかしくない話です。

だからこそ、書くべきことは全部書こうと決めました。

  • 自分が何者か(2017年の受験者であり、有資格者であること)
  • なぜ作りたいのか(テキストが重くて隙間時間に学べなかった、あの体験)
  • どういうアプリなのか(一問一答形式、収録範囲、無料であること)
  • 過去問をどう扱うつもりか(出典の明記、改変の有無、掲載範囲)
  • 協会さまにとって不利益にならないと考える理由

言い訳がましくならないように、でも判断に必要な材料は漏らさないように。何度も書き直して、送信ボタンを押しました。

返ってきたのは、想像していたよりずっと丁寧な言葉でした

数日後、ご返信をいただきました。

要旨としては、**「アプリでの使用は今回が初めてのケースなので、社内で相談いたします」**というもの。

即答でOKでもNGでもなく、「前例がないので検討します」。

この一文を読んだとき、正直にいえば胸が高鳴りました。だって、検討していただけるということですから。よく知らない個人から届いた一通のメールを、ちゃんと机の上に載せて、時間を割いて議論してくださるということです。

しかもこのやりとり、年度末でした。

試験を運営する団体さまにとって、どれだけ立て込む時期かは想像に難くありません。それでも、ご担当者さまからのご連絡はいつも丁寧で、こちらの意図を正確に汲み取ってくださっていて、確認事項も的確でした。

はぐらかされることも、放置されることも、一度もありませんでした。

そして最終的に、過去問の転載についてご許諾をいただくことができました

この経験で、考え方が変わりました

「個人開発者が団体に連絡しても相手にされない」——これは、自分が勝手に作っていた思い込みでした。

実際にやってみてわかったのは、きちんと筋を通して、誠実に事情と目的を説明すれば、ちゃんと向き合ってくださるということです。前例がなくても、「前例がないから検討する」という判断をしていただける。

そして受け取った側からすると、これは同時にプレッシャーでもあります。

初めてのケースとして許諾をいただいたということは、このアプリが「アプリでの過去問利用の前例」になるということです。雑なものは作れません。

だから、無料にしました

このアプリは無料でインストールできます。

理由はいくつかありますが、一番大きいのは、2017年の自分が使えるものにしたかったからです。

テキストと問題集で、すでに1万円近く使っています。そこにさらにアプリ代を要求されたら、当時の自分はたぶん買いませんでした。そして買わないまま、また電車でスマホを眺めて時間を溶かしていたと思います。

隙間時間を拾うための道具が、財布の都合で使われないのは本末転倒です。

収録したのは、10年分の過去問

一問一答形式で、10年分。

一問一答にこだわったのは、「1問だけ解く」という行動のハードルを限界まで下げたかったからです。

「今日は30分勉強するぞ」と決意しないと開けないアプリは、開かれません。「1問だけ」なら、エレベーターを待つ間でも開けます。そして人間は不思議なもので、1問解くと2問目を解いてしまう。その積み重ねが、机に向かう時間だけでは絶対に届かない量になっていきます。

あの日、鞄に入らなかった「壁」を、ポケットに入る形に作り直した——自分の中ではそういうアプリです。

受験されるみなさまへ

インテリアコーディネーター試験は、範囲が広く、覚えることが多い試験です。

まとまった時間を確保できる方はもちろん、仕事や家事の合間になんとか時間をひねり出している方も多いと思います。私もそうでした。

そういう方の、電車の中の10分や、昼休みの15分が、少しでも合格に近づく時間になったらいいなと思って作りました。

無料でインストールできますので、お試しいただけますと幸いです。

最後になりましたが、前例のないお願いに対して真摯にご検討くださり、ご許諾をいただいた公益社団法人インテリア産業協会さま、そしてお忙しい年度末に丁寧にご対応くださったご担当者さまに、この場を借りて心より御礼申し上げます。

ありがとうございました。

最後に、受験されるあなたへ。

タップすると裏返ります

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この記事を書いた人

はじめまして、CSclub.tech ブログ管理人のちえぞうです。
1966年生まれのクリエイターです。36年間の会社員経験を経て、現在は人生の第二幕として「好きなことを仕事にする」夢を追いかけています。

もともとは「チェリまほ」をきっかけに始めたブログ運営でしたが、デジタルの楽しさに目覚め、今ではWebゲームやスマホアプリの制作、動画編集、AIイラスト制作まで、毎日楽しく探検中です!

このブログでは、私が手掛けたゲームやアプリの紹介・開発の裏話をはじめ、在宅ワークやスキルアップのコツ、大好きなエンタメ情報などをシェアしていきます。

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